天照大神の農業を邪魔したのは月読尊か?

「スサノオ冤罪事件」の真相!!

この記事は、前回の「オオケツ姫の指導で、天照大神が農業を始めた!」の続きです。

 

姉の天照大神が始めた農業を、スサノオが妨害したことが、私にはどうしても納得できないのです!
いくら姉をライバル視していたとはいえ、そこまでやることは無いでしょう?
つまり「犯行動機が見えない」のです。

 

ずっと考え続けて、ある結論に至りました。
それは、「真犯人は月読尊である」という可能性です。


<証拠1>

農業が大打撃を受けたなら、真犯人は「天変地異」のハズです。


◆オオケツ姫が切り殺された。

⇒⇒⇒オオケツ姫が徳島で始めた農業が壊滅的な打撃を受けて、種子だけが残った。


◆畔が壊れ、水路が埋まり、新嘗祭が穢れ、馬が吹き飛んでハタ織機を壊した。

⇒⇒⇒大雨・洪水・暴風を伴った自然災害が、天照大神が九州で始めた農業を直撃した。


◆だから天照大神は天の岩戸に籠った。

⇒⇒⇒日が照らない日々が長く続いた。

 

というふうに解釈すると、これらは、2度にわたり起きた異常気象と、それに続く火山噴火による日照不足を象徴しているのではないのでしょうか?

 


<証拠2>

それでは、この天変地異を引き起こした犯人とは、誰だったのでしょうか?


◆ツクユミが支配した「夜の食国(おすくに)」とは、「冥土」つまりあの世のことです。
ウエツフミでは、その役割が明確に記述されています。
ひとことでいえば仏教の「閻魔様」と同じく、人の死を司り、良い魂を神に導き、悪い魂を懲らしめることです。
だから、ツクユミの「荒魂」が働いて、天変地異が起きたとしてもおかしくありません。


◆ツクユミの別名は「夜見照大神」ですが、漢字を充てたのは渡来人ですから、本来は「黄泉照大神」なのかもしれません。つまり、ヨミの国の支配者? 西洋風にいうならばサタン?
ちなみに「月読」の充て字も間違いで、ウエツフミでは「月弓(ツクユミ)」です。


◆さらに「天照大神はツクユミを嫌って、以降太陽と月はお互いに顔を合わせなくなった」という伝承は、この事件を象徴しているのではないでしょうか?

 


<証拠3>

なぜ、スサノオが犯人と間違われたのか?
これにも数々の証拠があります。


◆のちに「夜の食国の祭りの司」に、スサノオとオオクニヌシが指名されています。
それは、ニニギの命が降臨して地上界(現の食国)を支配することになった時からです。
この部分が全く伝わっていないので、後世の人たちは、スサンオが「夜の食国の支配者」だと思い込んだ可能性があります。


◆天照大神の農業を妨害した真犯人の本名は、
「勝速日建速須佐之男の命」であり、この名前は、ここ以外どこにも登場しません。
これをスサノオと解釈したのは平田篤胤であり、先哲さえも悩んだということです。
一方スサノオの本名は、「天開国開天津日高建速須佐之男の命」であり、全くの別人という可能性も否定できません。


◆いったん毛髪や爪を抜かれて国外追放されたスサノオは、許されてみごとに復帰します。
今回の使命は、天照大神が隠れている間に、国内を荒らしている「マガツ神」どもを退治することでした。
このとき、「マガツ神」どもは「黄泉津外津世(ヨモツトツヨ)」から出てきたと書かれています。
つまりツクヨミが支配する黄泉国の扉が開いたか、または外国人が侵略してきたと読むことができます。
吉田博美先生が主張されるように、徐福の一族が猛威を振るったとすれば、このことではないでしょうか?

 


<まとめ>

以上をまとめると、


天照大神が始めた農業を、ツクヨミの荒魂が引き起こした天変地異が台無しにしたので、天照大神は怒って天の岩戸に籠り、以降、ツクヨミとは絶縁状態となった。
その荒魂を鎮める役職についたスサノオは、荒魂そのものであると誤解されている。
スサノオと天照大神がささいなことで兄弟げんかをしている間に、外国人が侵略してきて、事態はますます悪くなったのであり、スサノオが全ての災いの根源であるという解釈は、全くの冤罪である。

 

とするとですよ、最近また頻発している天変地異は「ツクヨミの再来」を意味しているのかもしれませんね。