だんご汁の起源は、スサノオにふるまわれた『きしま』だった!

だんご汁
だんご汁

『だんご汁』といえば、現在では“大分県を代表するソウルフード”であり、有名な郷土料理ですね。

それが、いつ頃から大分県にあったのでしょうか?

なんと、神話時代にまで遡るのです。

『ウエツフミ』には、だんご汁の起源が書かれています。

 


ニニギの命が、高千穂に天孫降臨するよりも、はるか、はるか“昔し”のこと。

まだ地上界には、「荒ぶる神」たち(邪神や魔物)がウジャウジャ居て、食べ物や着物を略奪したり、人をさらったりして、人民たちは毎日泣き暮らしていました。

「女子供や牛馬まで襲って食っていた」とあります。

 

これをみた天照大神は、弟のスサノオの命(国照大神)に、国土平定を命じます。

 

スサノオは、宗像三女神やアメノコヤネをはじめとするお供の神々とともに、日向の霧島岳に天孫降臨して、

「この国の悪い神たちをことごとく殺し尽くして、人民が安心して住める国土にするのだ!」

と宣言します。

 

記紀では、スサノオの命は“乱暴で無作法な厄介者”というキャラで紹介されていますが、実は悪者たちと戦ってこれを滅ぼすための“正義の戦士”だったのです。

 

スサノオが最初に戦ったのが、熊本県の阿蘇山にいた「煙神と空張神」でした。

国中の穀物の種を奪って隠し、子供をさらって食べていたとあります。

この邪神たちは、蜘蛛の糸のようなものを吐いたり、煙を出して空を曇らせたりして、さんざん手こずらせますが、とうとうスサノオに切り殺されてしまいます。

 

そこで、次にスサノオが向かったのが、豊日の国(現在の大分県)の御宝山(霊山のあたり)でした。

そこで国津神(地上で人民の指導にあたる神々のこと)である、「豊日別(とよひわけ)の命」と「豊日比売(とよひひめ)の命」の男女神が登場して、スサノオを接待します。

 

※ちなみに当時、大分県は「豊日別(とよひわけ)」と呼ばれていましたので、この人たちは現在の大分県知事のような立場の神様だったようです。

 

地元の農民が作った小麦を粉にして、これをこねた「棊子麺(きしま)---現在のキシメンと解される」を、味噌汁に入れて振る舞いました。

 

だから、この地を「杵島(きしま)の里---現在の城島高原」と呼び、

しばらくこの地に滞在して謀りごとをめぐらしたところを「柚富(ゆふ)---現在の湯布院」と呼ぶ、

と書かれています。

 

⇒出展 : 『上記』宗像本第四綴第九章より

 

その後、スサノオは配下のアメノコヤネを四国に派遣して、自分は穴門の国(現在の山口県)へと向かいます。

最後に、スサノオは「出雲の国」まで遠征し、この地でクシナダ姫と結婚して「出雲王朝」を開くのです。

 

なお、出雲王朝からウガヤフキアエズ王朝へと政権交代が行われた経緯は、以前に書きましたので、こちらから。

 


それにしても、大分県民たちがこよなく愛する『だんご汁』が、由布院でスサノオをもてなすための『キシマ(きし麺)』だったとは、非常に興味深いことです。

 

※大分県人は、だんご汁に入れるだんごのことを「やせうま」と呼びます。この「ヤセウマ」と「キシマ」は何か関連がありそうなのですが、現在調査中。

 

仮にこれが後代の作り話であったとしても、この『ウエツフミ』が書かれたのが鎌倉時代であった訳ですから、少なくとも鎌倉時代にはすでに『だんご汁』が存在していたことになります。

 

そして、さらに『ウエツフミ』には、味噌の起源まで書かれているのです。

 

天照大神は、「熊野久須毘(くまぬくすひ)の命」と、妹の「熊野久須売(くまぬくすひめ)の命」の兄妹神を、穴門の国(現在の山口県)に降臨させ、人民に「未醤(むし)---味噌と醤油の原形」の作り方を指導させます。

その製造方法とともに、「(お酒は薬であり)味噌は健康食品として野菜に添えて食べなさい」と、実に細かいコメントまで書かれています。

 

※ちなみに、南方熊楠の名前は、このクマクスヒの命から来ているような気がしますが、現在調査中。

 

さてさて、現代の古代史学者たちは『ウエツフミ』を全くの偽作であると決め付けていますが、もしそうならば、『ウエツフミ』の作者は、なぜ?なんのために?ここまで細かい記述を残したのでしょうか?

しかも全ての記述が神代文字である「豊国文字」で書かれているのです。

そのために膨大な手間ヒマと知識が費やされていることがお分かりでしょうか?

 

私たち日本人は、先達の残した声に、もっと素直に耳を傾けるべきです。

そして、私たちは、すばらしい祖先と伝統を持っていることを、もっと誇りにするべきです。

 

「だんご汁」を食べるときには、少なくともこの料理を千年以上伝えてきた「祖先たちの思い」に感謝しながら、有難くいただきたいものですね。

 

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